テレビマンユニオンの田中由美さんが、「食彩の王国」で、江戸東京野菜の「なす」を紹介したいと訪ねてきたことは当ブログで紹介し、VTRのセットをお願いしたが、素晴らしい番組に仕上がっていた。
番組は、「現代によみがえった、江戸の野菜」と紹介してくれた。
寺島なすが、墨田区立第一寺島小学校で2009年に同校の開校130周年記念事業として復活された。
番組では、今年も継続して栽培している生徒たちが、「味が違うし、柔らかくて甘いし、旨い」と自慢げに答えていた。
東向島商店街の青果商・阿部敏さんは、寺島なすのキャラクターが描かれたTシャツを着ていた。
生産者の星野直治さんも、ボランティアさんたちと、屋外で田楽にして味わっていた。
この番組、どのようにして食べられているかを紹介する番組で、
初めは、南青山のイタリアンレストラン HATAKE AOYAMA の神保佳永シェフが登場。
「寺島なすは、小さなタネの多いナスだが、タネの周りに蜜があるので、火を入れるととんでもなく甘くなる」と神保シェフ。
“ 寺島なすと岩がきの冷製スープ “
神保シェフは「寺島なすは硬く、粘り気が相まって、美味しくなる。」と・・・。
“ 寺島なすと鰹のテリーヌ ”
「皮にある強い香りとえぐみ、揚げると香ばしさに変わる」とも。
“ 寺島なすとドライトマトのボロネーゼ ”
寺島なすは、タネが多い、硬い、と云うデメリットとも思える性質を、メリットに変え、
「クセのる野菜の方が゛すごく調理しがいがあって、寺島なすは、うちではこの時期必ず使う」と。

押上「よしかつ」の店主・佐藤勝彦さんは、
“ 寺島なすとトマトの肉炒め ”
“ 寺島なすのステーキ ”
「寺島ナスが主張している」、「寺島ナスが入っているんだって !」
日本橋「ゆかり」の、三代目野永喜三夫さんは
浮世絵に描かれているように皮をむいて、揚げると翡翠色に・・・。
皮も捨てないで、キンピラに。
「江戸にも伝統野菜があるので、地産地消からも使っていこうと思っている」と、
“ 寺島なすと青唐辛子、穴子の炊き合わせ ”
“ 寺島なすの皮のキンピラ ”
“ 寺島なすと うなぎの濃厚胡麻あんかけ ”
番組は「蘇った寺島なすの味わいが、江戸の昔しと今を、しっかりと繋ぎます。」で結んだ。
素晴らしい番組、田中さん、ありがとうございました。
日本橋「ゆかり」の、二代目野永喜一郎さんに、浮世絵の再現が良かったとお伝えしたら
「浮世絵にあるナスは、横に剥いているが、ナスはご覧になったように縦に剥くものなんですよ !」と教えていただいた。
後日、田中さんから電話をいただいた。
何でも、朝の時間帯で、この手の番組の視聴率としては最高視聴率を取ったと、報告があったが、確かに良い番組で、改めてVTRを見直した。
多くの人たちが、江戸東京野菜を認識してくれたかと思うと、嬉しくなった。