先日、港区立青山小学校( 廣瀬維謙校長)の「青山・里山プロジェクト」の取り組みを紹介したが、
都政新聞の細川奈津美記者から、9月号の「東京育ちの美味探訪」で取材したいと云ってきた。
これまで、農家を主に取材してきたが、小学校でも本格的な栽培が行われ、29日には、地域住民に販売もすると云うので、NPO法人ミュゼダグリとしても、都合のつくメンバーが同行することで、竹村郷副校長に了解をいただいた。

同校では、正門脇の掲示で地域に知らせているが、野菜の販売期間を7月22日〜8月30日までの間、正午から屋上の里山で栽培し収穫した野菜を販売するとしている。
この野菜、2010年に始めたころは、収穫された野菜は、学校給食で食べられていたが、翌年の3.11以降は、放射能検査では、セシュウム0であっても、同校では食べることはできなくなってしまった。
したがって、それ以降は、収穫のピークを夏休みに持ってきている。
上の写真をクリツクする
夏休み中に収穫されるものは、地域の皆さんに販売している。

午前中に収穫した研究チームの生徒たちは、11時過ぎから、袋詰め作業を行った。
上の写真をクリックする
なす、トマト、トマトのアイコ。ピーマン、キュウリなどが1袋100円。
立派に出来たメロンは、1個300円。
袋詰めの作業中に、「校門前には、もう、お客さんが並んでいる」との情報が入る。

2010年、南青山のイタリアン「HATAKE AOYAMA」のシェフ・神保佳永さんから、食育の支援について申し入れがあり、現在、神保シェフが農業指導なども行っていて、野菜嫌いな生徒たちが好きになったと云う。
屋上は、ブルーシートを張って、その上に腐葉土が盛られ、畑の形態になっていた。
同校は、全校生徒164名、ICT(Information and Communication Technology) ・「情報通信技術」では、全国でも最先端を歩いていて、青山・里山プロジェクトの生徒たちも、授業ではロボット作りなども行っているという。
デジタルとアナログは真逆の事だが、5年生が中心になって取り組む、同プロジェクトでは、農業のプロを目指しているわけでなく、色々な方との出会い、コミュニケーションづくりによって、どれだけ人とのネットワークができるかに主眼を置いているのだという。
上の写真をクリックする
屋上フェンスにはプランターに植わった、ニガウリやキュウリ、メロンなどが実っていたが、これまでになるには、農家が経験できないご苦労があったようだ。
竹村先生は、屋上では、太陽と風はたっぷりあるが、プランター内は、太陽の熱で高温になり、根が焼ける等、生育に影響が出ることから、水を入れたペットボトルの上にプランターを乗せ、周りもペットボトルで保護することで、プランター内の温度を下げる効果になっていると云う。
屋上には、明日葉、レモン、枝豆、なす、キュウリ、ゴーヤ、内藤とうがらしなどが栽培されていた。
伝統野菜に、興味を持っているというので、江戸東京野菜暦を、プレゼントした。
生徒たちは、固定種の野菜にこだわっている、飯能の「野口のタネ」に行って、秋冬産のタネを買ってきたと云う。
上の写真をクリックする
亀戸大根、練馬大長大根、大蔵大根。伝統小松菜のごせき晩生、等に混じって全国各地の伝統野菜のタネも買ってきていた。
その野菜は、10月26日27日に青山祭が、明治神宮外苑のイチョウ並木で開催されるが、神保シェフと一緒に地域の人たちに秋野菜を販売していく予定だと云う。

12時から販売をすると聞いたので、食の情報を動画配信している「フードボイス」の新田真一社長に撮影依頼をしたのが1週間前だったが、日程調整してくれて、取材に来てくれた。