第64回 日本学校農業クラブ全国大会は、平成25年度 首都圏大会として22日から24日まで首都圏各県を会場に行われた。
中でも、各県から参加されたクラブ員の代表者会議は、東京都立農芸高等学校で開催され、同校と分科会運営の関東ブロック9校が、充実した会議となるようと準備してきたもの。
「心は一つ 農クの絆 首都圏大会」
「関東平野から広がる 新しい農クの息吹」だ。

23日は、10時から分科会が行われたようだが、13時30分からの審査の時間を利用して企画された講演会の講師を依頼されたことは当ブログで紹介した。
次代を担う高校生達に伝えたいと、テーマは「次世代に伝えたい江戸東京野菜」として受け持たせていただいた。
各分科会のテーマは、
第一分科会は、他校と連携しながら、地域と交流するには、どうすればよいか
第二分科会は、クラブ員が興味をもてる活動には、どのようなものがあるか
第三分科会は、就農者を増やすために、農業に興味をもってもらう活動には、どのようなものがあるか
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会議実施委員長の岡本利隆校長(都立農芸高校) から、紹介いただいて、講演に入ったが、23日の朝刊はユネスコに「和食の世界無形文化遺産登録へ」を報じていたのでその話題から・・・。
12月には決まるようだが、今まで以上に全国各地域で育てられている伝統野菜に目が向けられることだろうとして、東京農業の役割から話を進めた。
江戸には、全国から野菜のタネが集まった歴史を述べ。
練馬大根は、尾張からタネを取り寄せたもの。
練馬大根のタネは、庄内の伝統産物の「干し大根」として今に伝わっている。
また、信州の前坂大根、薩摩は指宿の山川大根も練馬大根がルーツだ。
江戸の漬菜と云えは三河島菜。
それが、仙台で芭蕉菜として伝わっていたが、それを青茎三河島菜として復活した。
また、栄養繁殖としては「タケノコの話」、薩摩が琉球交易で得た江南竹を江戸薩摩屋敷に・・・、
また、廻船問屋の山路治郎兵衛勝孝が品川の地で栽培を始めたのが普及したもの。
そして江戸から金沢に持ち込まれ加賀野菜ともなっている。
全国から来られた皆さんに、全国とのかかわりをお伝えした。
また、都立高校の取り組みとしては、2010年3月、園芸高校の2年生が3年で行う課題研究で、江戸東京野菜に注目したのがきっかけとなったことからお話しし・・・

都立農産高等学校では、三河島菜の原産地荒川区からの要請を受け、青茎三河島菜の栽培を行い、同区との商品開発を行っていて・・・、
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同校の取り組みは、荒川区のホームページでアップデートされている。
また、府中市の都立農業高等学校では、府中市の史実に残る美濃の真桑瓜を、時空を超えて栽培を始めた。
都立瑞穂農芸高等学校では、徳川慶喜が好んだ、べったら漬けを、当時使われていた、志村みの早生大根を栽培し、それを漬けた。
主催者からの要請を受け同校では、
27日、「日本橋京橋祭り」が行われる、日本橋の橋上で販売することになったことから生徒が描いたラベルも印刷した。
このように現在取り組まれている、各校の現状をお話しした。
最後に、質問の時間をとってくれたが、なんと次から次へと、6〜7人の各県代表の生徒さんから質問をいただいた。
充分な答えになっていたか、皆さんありがとうございました。

会場では、実施主任の秦野俊夫教諭が、お渡しした写真に解説をつけて、張り出してくれた。
また、都内小学校での取り組みも展示していただいた。
早稲田ミョウガも、栽培者の井之口喜實夫さんが展示用のディスプレーを作ってくれていて、大振りの早稲田ミョウガに青々とした葉を添えたことで一段と引き立った。

会場設営の準備から各生徒誘導の把握まで、農芸高等学校の実施委員の先生方と生徒達で取り組んできたようで、皆さんご苦労様でした。
会場には、農業クラブ員の情報誌「リーダーシップ」から、阿久津若菜さんが取材に来ていたので、岡本校長と記念に、撮っていただいた。
岡本校長には前任校瑞穂農芸高校の校長時代に呼んでいただいたことがあった。
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生徒実施委員のひとりから声をかけられた。
何と、江戸東京野菜の栽培を始めた園芸科学科の2年生で、3年では課題研究として広めてくれそうだ。
皆さんありがとうございました。
農業クラブ全国大会最優秀校は、 「第64回日本学校農業クラブ全国大会」平成25年度首都圏大会 公式HP」に結果速報が掲載されている。
最優秀賞の農林水産大臣賞は、「京の伝統野菜 山科ナス」〜守るだけの伝統から脱却〜を発表した近畿代表の京都府・桂高校が受賞した。
24年までは、西は京の桂、東は江戸の園芸と云われていただけに、同校が受賞したことは、伝統野菜に取り組むひとりとして、ことのほか嬉しい。
おめでとうございます。