「あっぱれ野菜!STUDY&CAFÉ」<ミュゼタグり>V0l.17 江戸東京野菜編は、テーマが「伝統大蔵大根」と「高倉大根」。
カフェの部は、江戸東京野菜料理研究家の酒井文子さんが担当、上原恭子さん(江戸゛東京野菜コンシェルジュ)がサポートした。

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★伝統大蔵大根菜飯の焼き大根添え(焼き伝統大蔵大根の丼)
・伝統大蔵大根のゆず大根柿入り
・伝統大蔵大根の田楽大根(大根一式料理秘密箱)
★伯州名物大根卵あえ(大根料理秘伝抄)
★高倉大根の葉の大根葉のけんちゃん(香川の郷土料理)
・高倉大根(生・干し)と伝統大蔵大根(生)の醤油漬け
レシピはここをクリツクする
●食べ比べ●
伝統大蔵大根と高倉大根‥生と茹で、干し(高倉)
・高倉大根の豚汁
スタディ

当日は、世田谷の青果商「八百森(03-3421-0513)」の森田哲也さん(江戸東京野菜コンシェルジュ)も参加されていたので伝統大蔵ダイコンについて語ってもらった。
「伝統大蔵大根は青首大根は勿論、F1種の大蔵大根と比べてもはるかに美味しいと思います。
ではその違いは何処からくるのか、それは大根自体が持つ旨味の違いから来ていると考えられます。
普通大根を煮ると出来たての状態では味がしみていません。一旦火を止め冷ます事により味がしみ込んで行きます。
しかし伝統大蔵大根は出来たての状態から大根にしっかり味があります、これが大根自体の持つ旨味だと考えられます。
さらに時間の経過とともに具材やだしの旨味を吸い込み一段と美味しくなります。
また葉の部分も柔らかく葉先は味噌汁の具に茎の部分は湯がいてから刻み油揚げと共にだし汁・醤油・酒・砂糖少々で炒め煮にするととても大根の葉とは思えない美味しい一品となります。
お客様に、葉の部分が美味しいとお褒め頂きました。
形状の悪い物は浅漬けにして販売致しました。こちらもお客様にご好評いただきました。」と、伝統大蔵大根の美味しさを的確に表現していただいた。
奥さんのもえ子さんは、煮物の際にむいた皮の部分を干しておき味噌汁の具として使ったそうだが、甘くて且つ火の通りが早く柔らかでとても美味しかったという。
夫唱婦随、奥様もすっかり江戸東京野菜にのめり込んでいるようで、その美味しさを引き出してくれているのはありがたいことだ。

森田さんは後日、高倉大根についてメールをくれた。
「高倉大根は生で食べるととても甘味があり、こんなに甘味のある大根を食べたのは初めてです。しかしさらに驚いたのは干し高倉大根の美味しさです。
干すことにより甘味旨味がさらに凝縮され、とても美味しかったです。
干し高倉大根を全て沢庵漬けにしたことを少々後悔した位です。
私ならば半割にして糠漬けにしたり浅漬けにしたり、様々な可能性を感じました。
勉強会から戻り前日に頂いた高倉大根を浅漬けにし翌日頂きましたが、甘味がとてもよくわかり美味しくお客様にも好評でした。」と云うもの。
八王子で、高倉大根を栽培しているのは、立川太三郎さん1軒になってしまった。
八王子ゆかりの野菜の復活・普及に取り組んでいる福島秀史さん(江戸東京野菜コンシェルジュ)が、立川さんが栽培した高倉大根と干し大根を持ってきてくれた。
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福島さんが撮影した、高倉大根の干し風景。
写真上左、ゴザの上に毛布が敷いてあるが、これは夜になると、つるしてある大根を全部おろして、毛布を掛けて寝かせる。そして、翌日再び大根をつるす。
かつて練馬大根もそうだったが、真冬の夜中、大根を干しっぱなしにすると凍りついてしまうから、夕方下しムシロを掛けて凍らないようにしていたのと同じだ。
高倉大根のその後について森田さんからメールをもらった
「先週日曜日講座の前に漬けてきた干し高倉大根が今朝見てみると薄らと水が上がって来ました。
出来上がりは1月の下旬ころでしょうか。何人かの方から欲しいとのご予約も頂き、上手く漬かっているのかと責任を感じ始めました。」