東京都市大学付属小学校4年生のミクニレッスンをお手伝いして3年目になるが、11月の初めに、ミクニプロジェクト長の滝澤宣頼教諭からメールを戴いた。
3年生の 社会科に「農家のしごと」という単元があるので、できたら地元世田谷の農家にお邪魔し、簡単な収穫体験ができる社会科見学を考えているという。
できれば、江戸東京野菜を栽培している農家を紹介して欲しいと云うもの。

そこで、地元で伝統大蔵大根を栽培している、瀬田の大塚信美さんに電話をして、内諾は戴いたが、
詳細は学校の考えを伺ってからと云う事で、後日、担任の三輪洋資先生と別府美典先生が、現地視察に伺って、了解を得てきたと報告を受けた。
大塚さんは、200年前から続く農家で、10代目。現在露地栽培で60アールの畑を耕している。
当初は、伝統大蔵ダイコンの引っこ抜き体験も予定されていたが、数日前に降った雨で午前中は畑が凍り付いていて、生徒の力では抜けない状況だということで、前日、別府先生との話し合いで中止になっていた。
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しかし、学校の希望でもあったので、前日私から伝統大蔵大根を一本用意してくれるように依頼していたので、大蔵大根の説明もしてくれた。

当日は使えるスクールバスは1台だったので、成城の同校から、スクールバスで瀬田までの間、桐組(40名別府美典教諭)と桜組(40名三輪洋資教諭)をピストン輸送となった。
私は、ピストン輸送する往復のバスの中で、桐組、桜組に対して「世田谷の農業」についてお話しをした。
(後述する)
資料としては、世田谷区都市農業課に依頼して、世田谷の農業に関する資料を学校に送ってもらっていて、事前に生徒に配布をしてもらっていた。
すでに農業について、勉強をしてきたそうで、バスの中で質問してみると、多くの生徒が手を上げた。
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大蔵ダイコンの引っこ抜きが、中止になったことから、空いた時間は大塚農園の隣にある、フラワーランドの見学となった。
大塚さんは、地元の小学校を何校も受け入れているから、手慣れたもので、お話しする内容と順番を紙に書いて用意していて。
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畑は霜が降りていたが、生徒達が話を聞きやすいように、ラブシートを敷いてくれていて、そこに腰を下ろして、メモを取りながら話を聞いた。
目の前の畑は一部日陰で野菜は凍っていたが、生徒に尋ねると、キャベツ、ダイコン、ブロッコリーと次々と答えていた。

「畑で使う道具」では、一つひとつ取り出して、どのような時に使うのか、生徒に質問しながら説明をしてくれた。
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伝統大蔵大根を使って、結束機の使い方を見せた。
畑とはどのようなものなのかを、理解させるパフォーマンスを見せてくれた。
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長い棒を、畑に刺すと、簡単に1m以上も突き刺さった。
これには生徒達も驚きの喚声を上げた。
耕運機で耕しても、せいぜい30センチほどの深さでしかないが、深く掘って耕してあった。
生徒達は、今回の授業について、新聞を作るそうで、誰もが集中して聞きながらメモを取っていた。
タネのことでは、タネがどこで採種されているかを、指名した生徒に指示して、クイズ方式で当てさせるなどの手法を使っていた。
日本で採種していると思っていたところで、外国でタネが採種されていることに、ここでも生徒達は驚きの喚声を上げた。
また、肥料は、美味しい野菜を作るために、同区にある馬事公苑の馬のウンチをもらってくると云う所でも、「うわぁー」の反応。
世田谷では、東の方は都市化が進んでいるが、同校のある西の方に南北を含め農地は偏っている。
農地面積は106.63ヘクタールと云うから東京ドーム23個分になってしまった。
農家数は373戸と云うから、同校の生徒数より少なくなってしまった。
バスの中では、世田谷の農業についてレクチャー。
農業には、どんな農業がありますか!。の問いかけに次から次へと手が上がった。
「お米」、「野菜」、「果物」と次々と答えが・・・
お弁当箱には、ほかに何が入っていますかの問いかけに、「肉」、「牛乳」の答え。
、さらに他にと問いかけると「花」も・・・
世田谷に「田んぼ」はありますかと聞いてみると、すぐには返事かなかったことから同校の近くにある次太夫堀公園にあることを伝えると、「あぁー」と思い出したようだった。
かつて、同校の近くには湧水があって、自然豊かなところだと紹介している。
野菜は、これから大塚農園で聞くとして、果物は、環状八号の脇に、内海果樹園があり、リンゴ、ナシのもぎ取りをしています。世田谷では他にブドウ、みかん、ブルーベリーも栽培されています。
「肉」「牛乳」と云う反応があったので、世田谷では学校の北、千歳船橋の吉実園では、現在豚が15頭、平飼いの鶏660羽を住宅地で飼っている。
世田谷には、「花」の歴史も古く、東京都市大学のある玉堤の近くには80年前に玉川温室村があり、カーネーション、バラ、スイトピーなどを栽培していた。
世田谷の花の生産者は多く、花の展覧会は116回を迎えている。
尚、今回は(一財)都市農地活用センターから派遣されたもの。