Nツアーの工藤篤志さんからだいぶ前に、JAグループの全国組織で活躍する若手が、勉強会(緑志会) をしているから、そこで江戸東京野菜の話をしてくれないかと依頼されていた。
全国連の皆さんが、東京担当にならない限り東京の農業について勉強する機会もないだろから、これは、ありがたいことで、喜んでお受けした。
工藤さんは、グリーンツーリズム事業課だから、過去にも、全国各県から見えた方々に江戸東京野菜の話を聞いていただく機会を何度か作っていただいた。

当日は、同課の前場大樹さんが担当してくれた。
講演会場は、秋葉原のNツアー本社。
9時半から1時間、『江戸東京野菜に学ぶ』と題して話した後はバスツアー。
初めは江戸川区鹿骨の木村重佳さんの畑に直接向かう予定だったが、江戸への野菜を運搬する舟運の地、万年橋を渡って隅田川テラスに立ち寄った。
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徳川家康が江戸のまちづくりで取り組んだ一つが、兵糧としての塩を確保するため、行徳(千葉)の塩田から江戸に運ぶ運河を小名木四郎兵衛に命じて開削させた。
その後、幕府は、江戸を水害から守り、流域の湖沼を新田にするため、利根川を付け替える東遷事業により、銚子に流すようにした。
東北の物資はそれまで房総沖を回って江戸湊に運んでいたが、銚子から穏やかな内陸に入り、千葉県北西の関宿まで遡り、そこから江戸川を下って、塩の道・小名木川を通って物資は江戸に入るようになった。
小名木川は、中川や江戸川を介して、周辺農村の農産物を江戸の市場に運び込む流通の大動脈としても発展していく。
その小名木川が隅田川にそそぐ所に、浮世絵にも描か晴れた万年橋が架かり、かつてはそこから富士山が望めたようだ。
万年橋の北岸には、川の関所「深川口人改之御番所」が設けられ、江戸市中に入る武器などや、江戸から出ていく大名家の婦女をチェックしていた。
また、芭蕉がこのあたりに住み、ここから隅田川を千住まで舟で遡り奥の細道に旅立っていったと云われ、芭蕉庵史跡展望庭園からはダイナミックな隅田川の流れが見渡せ、ドイツ・ライン川に架かるケルンの吊り橋をイメージした清洲橋が視界に入ってくる。

江戸東京野菜の農家見学は、江戸川区の木村重佳さんの畑。
江戸川の農家は、小松菜栽培が主流だが、木村さんは小松菜栽培からの脱皮を図り、亀戸大根の栽培に取り組んでいる
伝統小松菜、金町コカブの栽培も行なっていて、昨年、国賓としてフランス大統領が来日した時、安倍首相が開いた午餐会のメインディシュに出された「江戸東京野菜添え」の金町コカブと伝統小松菜は、木村さんが生産されたものだ。
メデイアへの出番も多く、かつて、「ふれあい」にも登場している。

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亀戸ダイコン碑のバックには東京スカイツリーがそびえる。
農業協同組合法施行50周年記念として設置された「江戸・東京の農業 亀戸大根」は、地域の皆さんがまち興しに活用し、香取神社で開催される「福分けまつり」は定着し、今年も3月に開催される予定だ。

13時過ぎに、東京の食材にこだわる、押上「よしかつ」に着いた。
尚、ここまでは(一財)都市農地活用センターから派遣された。
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当日のメニューは、木村さんの栽培した、「亀戸大根と伝統小松菜づくし」が用意され、
店主の佐藤勝彦さん(江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座講師) は、ソムリエ、利き酒師、酒匠、焼酎アドバイザーの資格を持ち、料理に合った東京の地酒を勧めてくれる。
緑志会は、挨拶をされている向井地純一会長(元JA全中専務理事) が、全国各機関の次代を担う若い職員を育てようと、JA全農の濱田達海監事に相談、2年前に結成したもので、会員37名が、毎月勉強会を行って、今回で23回。
1.自主・自立の精神そして創造
2.談論風発・相互啓発そして尊重
3.当事者意識・各々が主役そして共感
4.結束・助け合いそして貢献
5.継続の固い意志そして誠実
を、司会に合わせて斉唱してから、講演に入った。
講演では、早稲田ミョウガの捜索活動を行ったことを紹介したが、参加者の中には早稲田大学OBが数人おり、中には協力してくれた堀口健治副総長のゼミ生だったという方との出会いもあった。
また、JA共済寄付講座を利用した「気仙沼支援事業」は、戻りカツを早稲田ミョウガを妻に食べたことも紹介した。
今後、連絡を取って協力をしてもらおうと思っている。
これまで、JAグループの全国からのお客様は、一昨年のJA四万十、東北の皆さん、JA高知はた、そして昨年は、JA豊橋のみなさんにもお会いしている。
「みんなのよい食プロジエクト」もお手伝いをした。
黨