2017年11月02日

野菜文化史研究の久保先生が送ってくれた1300年前の長屋王の野菜木簡からみる、白岩ウリと早稲田ミョウガ


先月、大阪に伺った折、野菜文化史研究センター代表の久保功先生が訪ねていただいたことは、当ブログで紹介した。

久しぶりの再会だったので、久保先生の話に聞き入ってしまったが、後日資料を送っていただいた。

いただいた資料は、久保先生が研究された長屋王木簡の成果が、専門誌や新聞等に掲載されたものだ。

天武天皇の孫・長屋王は、奈良時代初期に政治を担当していたが、藤原氏の陰謀で滅ぼされた。
長屋王の邸宅跡を奈良国立文化財研究所が発掘に取りかかり、1988年3万点にものぼる木簡が出土した。





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木簡のレプリカを送っていただいた。

「物部廣庭進黄瓜壱拾参顆」 
(平城宮発掘調査出土木簡概報 1990年5月)
「多米麻呂進黄瓜壱拾肆顆」
(平城宮発掘調査出土木簡概報 1990年5月)

上の画像をタップする

木簡は、紙が貴重な古代、薄く削った木片に要件を墨書したもので、荷札などに用いられたもの。


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2017年10月25日

「浪速魚菜 色葉」で、大阪市なにわの伝統野菜等、大阪の食材にこだわった料理を堪能した。


この度、大阪に伺う機会に恵まれたことから、なにわの伝統野菜「田辺大根ふやしたろう会」の谷福江世話人にお骨折りをいただいて、「難波ねぎ」の圃場を見せていただいた。

地元浪速は勿論のこと、かつて京都にわたり「九条ねぎ」となって、京都の食文化にも大きな影響を与えてきた難波ねぎ、市場からは「ただでもいらんで」と云われた時代もあったとか、

しかし、父、兄と引き継がれた旨いねぎを、かたくなに守り継いできた上田隆祥さんの熱い思いには頭が下がる。

上田さんが難波ねぎを始めとする野菜を納めている、心斎橋駅に近い南船場の大阪料理「浪速魚菜 色葉」にご案内いただいた。

大阪市なにわの伝統野菜等、大阪の食材にこだわっているお店と聞く。
願ってもないことだ。





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完全予約制のお店では、笹井良隆執事(中央)、佐野亨一料理長(右)、藤川史朗店長(左)が、笑顔で迎えてくれた。

上の画像をタップすると「神無月御品書」

はしたないかもしれないが
お品書きを見ているだけでワクワクしてくる。



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2017年10月23日

なにわの伝統野菜「難波ねぎ」の生産者 上田隆祥さんの畑にご案内をいただいた。


8月のはじめ、大阪府農業委員会大会の記念講演を受けたことを、「田辺大根ふやしたろう会」の谷福江世話人にお伝えした。

谷さんには、難波ねぎの比較栽培にお骨折りをいただいていたからで、折角大阪に伺うなら、翌日は種をいただいた、難波ねぎの生産者上田隆祥さんにお礼も言いたいし、畑も見せていただきたいと、ご無理なお願をしていた。

江戸の昔、砂村に入植した摂津の農民がねぎ栽培を始めたと云われていて、現在、砂村一本ねぎを栽培していることから、そのルーツを探していたもので、谷世話人から、難波ねぎがあることを伺ったのだ。

大会翌日の9時、上田さんにホテルまで迎えに来ていただいて、ホテルからは南へ、住吉区大領の畑にご案内をいただいた、

周辺を住宅やビルに囲まれた、10アールの典型的な都市農業。




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畑には、難波葱の会の難波りんご事務局長はすでに見えていた。
上田さんは、小雨も降っていたので足元が汚れるからと、お気遣いをいただきレジ袋を用意されていた。
長袴で歩いているようだとの声、(笑)

上の画像をタップする。
谷世話人は、昨日講師控室を訪ねていただいた皆さんにもお声をかけていて、写真左上、左から日本の伝統食を考える会の浅岡元子さん、生田喜代子さん、上田さん、中筋恵子さん、谷世話人。
写真右下、右から難波りんご事務局長、熱塾の原田彰子代表。

難波ねぎは、かつて京都に伝わり九条ねぎとなった歴史がある。

葉が柔らかく、香りがよく、葉の中にはトロっとした美味しいぬめりをたっぷりと含んでいて、
60センチほどに育つやや太めの美味しい葉ねぎだが、市場からは姿を消した。

今日の生産や流通の中では、葉が折れやすく、ぬめりが多いことから刻みネギには向かず、葉が折れない栽培しやすい交配種の時代になってしまった。

上田さんは、市場用に交配種を作りながら、自家用に難波ねぎを作り続けていた。

なにわの伝統野菜の復活に尽力していた石橋明吉氏が、難波の大阪木津地方卸売市場で漬物屋 (有)石橋商店を営んでいたので、10数年前、美味しいねぎを作っていることを伝えると、ある日通りかかったのでこのねぎはおいしいでっせと、差し上げた。
「まあ、なんと 美味しいねぎや!」と、石橋氏に喜んでもらえたという。
石橋氏から、なにわの伝統野菜の普及に取り組む人々に伝わっていった。

難波りんごさん(天王寺蕪の会事務局長)との出会いは大きな転機を生んだ。
上田さんは難波さんらと「難波葱の会」を立ち上げた。難波さんの幅広い人脈を生かして、料理人や作家、消費者、農家が加わり「難波ねぎ」の味を広めていった。

今日では、大手の百貨店が扱ってくれるようになったのを始め、難波駅のそば店では難波ねぎを使ったそばが販売されるまでなり、生産者も増えている。

明確な根拠文献を探すのに時間がかかり、2017年4月に難波ねぎは「なにわの伝統野菜」に加えられた。


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2017年10月21日

大阪国際交流センター大ホールで開催された「平成29年度 大阪府農業委員会大会」で、江戸東京野菜の取り組みを・・・


一般社団法人大阪府農業会議から、講師を依頼されたことは、当ブログで紹介している。

開会前に余裕をもって会場入りしたいと、8時20分東京発のぞみに乗車した。
12時過ぎに会場に入れたから、中谷清代表理事会長、鈴木成専務理事にもご挨拶をすることができた。

こちらの経歴はお伝えしてあったが、中谷会長から聞かれて、当時仕えていた会長の名を告げると、御存じで「宅地並み課税時代、私らも富田林からバスを仕立てて武道館へ行きましたわ!」と、一時代を共有したことを懐かしんでおられた。

13時、大阪府農業会議が主催する「平成29年度 大阪府農業委員会大会」は10月18日(水)、大阪国際交流センターの大ホールに、同府農業委員、推進委員の他、消費者110名を含め800余名の参加を得て、盛大に開催された。




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全員が農業委員会憲章を唱和して始まった。

上の画像をタップする
主催者を代表して中谷農業会議会長が挨拶をされた。
 
農業委員等永年在任者表彰、第18回なにわ農業賞表彰では、4名を代表して赤井隆夫氏が受賞された。

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野菜文化史研究家の久保功先生が京都から訪ねていただいた。


大阪府農業委員会大会後に、講師控室に、大阪なにわの伝統野菜にかかわる方々に訪ねていただいたが、京都からわざわざ久保功先生にもお越しいただいた。

なにわの伝統野菜研究会・毛馬きゅうりの会の清原風早子代表が、大竹が来るとお伝えいただいたようで・・・、恐縮です。




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講師控室左から、清原風早子代表と、久保功先生(野菜文化史研究センター代表)

久保先生とは、2009年に山形大学から講師として招かれて以来、親しくさせていただいている。

上の画像をタップする
先生と私の記事が掲載された2011年の「伝統食だより」を持参していただいた。

京都からわざわざ訪ねていただいたので、会場近くにとったホテルアウィーナ大阪の喫茶で、清原さんにもお付き合いいただいて、お話を伺う機会が出来た。


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2017年10月13日

栃木県下野市が「かんぴょうサミット」を学士会館で開催した。


栃木県下野(しもつけ)市が、名産のかんぴょうの消費拡大を図って、伝統ある学士会館精養軒のレストラン「Latin」でサミットを開催した。

9月のはじめ、料理研究家の冬木れい先生からご案内のメールをいただいた、冬木先生には今年1月、「小江戸・栃木市モニターツアー」にお誘いをいただいたことは、当ブログで紹介している。

今回は、ギリークラブの渡辺幸裕先生がプロデュースするかんぴょうサミットで、冬木先生は昨年より参加されていて、かんぴょうの真価について開眼したと、メールにあった。

渡辺先生からいただいたメールには、「サントリー勤務26年、自由人になって17年「人と人を結びつける案内人」をしています」とあった。




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栃木県の伝統野菜、固定種の夕顔の果実「ふくべ」を加工した、伝統食のかんぴょう料理を頂く魅力的なサミットだ。

会場の学士会館は、フードボイスの経営者情報交流会で毎月行っているし、大坂勝取締役総料理長も存じ上げているので、楽しみにしていた。

上の画像をタップする
冬木先生のメールには、
 栃木県のかんぴょう生産量は年間約315トン(2014年)で
全国の98%を占め、しかも下野市の生産量は約半数という。 

かんぴょう生産量日本一の下野市が、栃木の名産
かんぴょう生産の現状を確認し、美味しさの再認識の会だという。
参加者は料理人、料理研究家、メディアなど30名ほどで、

江戸ソバリエ協会のほしひかる理事長もこられていて、
展示されていた大きな「ふくべ」と一緒に。
七草の前沢リカさん、挿絵・児童文学の河辺歩子さん、
第57次南極地域観測隊設営・調理の渡貫淳子さん、
河内郡上三川町の隅内久雄副町長もお見えになっていて、
皆さんと名刺交換をさせていただいた。




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2017年04月16日

出雲おろち大根の店「山太」で、オーナーの森山太史さんがつくった出雲うどんをいただく。


昨年の11月に実施した第2回 鎌倉大根収穫祭で、鎌倉だいこん未来研究クラブの井出朋子さんが、先進地の出雲のご出身だったので、出雲の情報を取り寄せていただいたことは、当ブログでも紹介している。

今年2月に、神奈川県農業技術センター三浦半島地区事務所の原康明研究課長は、島根大学が取り組む「出雲おろち大根」の調査に、同大植物育種学研究室の小林伸雄教授を訪ねていて、3月には小林教授がお仕事の合間に鎌倉の「福来鳥」に訪ねる予定があるということを教えていただいた。

こんな双方の動きもあり、井出さんの情報もあることから、機会を見つけて出かけてみようと思っていた。

そんな折、家内が足立美術館に行ってみたいというので、桜のシーズンに行ってみようと大手旅行社のツアーに申し込んでいた。

ツアー2日目、足立美術館での鑑賞の後、12時に出雲大社に着いたが小雨が降り続いていた。

昼食と参拝で2時間の余裕があった。
事前に「食の縁結び市場山太」と、「日本料理 おかや」 を調べたが、歩いて行けるのは「山太」だったので、店主の森山太史さんに電話を入れてから伺った。




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神門通りの、土産店や出雲そばを出している店が並んでいるあたりを通り過ぎて、しばらく歩いたが、店の前に森山さんが出て待っていてくれた。

出雲の郷土食「出雲そば」について、江戸ソバリエ協会のほしひかる理事長に伺った。
江戸そば以前の田舎そばで、そばの甘皮まで一緒に挽いたそば粉だから黒ずんでいる。

江戸そばは本枯節(鰹節) で出汁をとるが、出雲そばは、あご(飛魚)で出汁をとり、薬味として、ゴマ、海苔、陳皮、青ネギなどを入れた、ぶっかけそばだと教えていただいた。

そばの文化が進化してきた江戸そばと比べると、取り残されて郷土食となっていったそばで、秋田のわんこそばもその一つだという。

森山さんに、初対面の挨拶をしてから、さっそく「出雲そば」を注文すると、当店は、出雲の昔ながらの手打ちうどん「出雲うどん」です、と云う。大きな間違いをしていた。

上の画像をタップする

気が付かなかったが店の前に、2016年4月3日の朝日新聞日曜版「たべぶら」に、 “「出雲うどん」大社そばでなぜ” “縁が結んだ「褐色の麺」” の掲載紙のコピーが貼られていた。

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2017年03月16日

なにわの伝統野菜の「田辺大根ふやしたろう会」谷福江世話人に、久しぶりにお会いした。


ひょうごの食シンポジウム」の会場で、田辺大根ふやしたろう会の谷福江世話人に、久しぶりにお会いした。

谷さんとは、2013年12月に、宇都宮大学で開催された「だいこんサミット2013」で、ご一緒していて、当日は展示用に田辺大根を持ち込み、皆さんに説明されていたのを思い出す。

田辺大根ふやしたろう会は、地元田辺地区にお住いの谷世話人など12−3人の会員で、復活してから17年になるグループ。
一人ひとりが、その思いを広く伝えるべく熱心に活動している。





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会場の入り口で、担当の武幹事を探してうろうろしていたら、谷さんが声をかけてくれて、田辺大根レシピ集Vol 2をいただいた。
このレシピ集、東住吉区役所が発行していて、行政を巻き込んだ取り組みに発展している。

上の画像をタップする
レシピ集によると、
田辺大根は、江戸時代から現在の東住吉区田辺を中心に栽培されていた大根です。
大正から昭和にかけて農地が減少したことより幻の野菜となっていましたが、近年、種子が発見され、地域の人達 の協力で「なにわの伝統野菜」として復活しました。

白首で、根部分は標準で長さ20センチあまり、筒状のハムのような形でやや下膨れで、先端にネズミのシッポのような根が伸びます。
葉は根部分の2倍以上に育ち、とげもなく美味しく食べられます。肉質は徹密で生で食べると辛味の中にほのかな甘味が感じられます。

煮炊きしてもしっかりして煮崩れやカサ減りが少なく辛味が甘味に変わります。
漬物などにしても 歯ごたえがあり大根のうまみが感じられます。

田辺大根ふやしたろ会のHPはここから


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2017年03月14日

「ひょうごの食シンポジウム」において、江戸東京野菜による地域活性化、食育の取組等を語る。


昨年暮れに、JA東京中央会の島田幸雄部長からJA兵庫中央会から、講演依頼が来ているが行けるかと連絡をいただいた。
江戸東京野菜を多くの方に知っていただけるのであければ伺いますと返答をしていた。
数日後、「ひょうごの食研究会」の武正興幹事から、同会と生活協同組合コープこうべ主催の「ひょうごの食シンポジウム」における講演依頼文書が届いた。

ひょうごの食研究会は、生産者と消費者、それをつなぐ栄養士等学識者、食品製造・流通業者が互いにそれぞれの分野の課題を学習し合い、より良い農漁業生産と健康な食生活をそれぞれの立場で推進することを目指す緩やかなつながりの会だと云う。

当日の参加者は、消費者、生産者、栄養士等が主体で、食を通じて、日本の農業や地域おこし、また食育につながる機会になればと考えています。とあった。

なぜ「ひょうごの食研究会」からご指名があったのかと思ったら、同会の幹事さんの中に、「ひょうごの在来種保存会」代表の山根成人先生がおられたので、山根先生の推薦があったと認識した。

山根先生には、昨年「お米の勉強会」の村山日南子代表から招かれたときに、お会いしていることは当ブログで紹介している。

山根先生が、2011年9月に「野菜の学校」で講演をされて以来、何かとご指導をいただいていて、「ひょうごの在来作物」も送っていただいている。

2月になって、武幹事からチラシを送っていただいたが、13時から「江戸東京野菜物語」についてお話をさせていただくことになった。






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会場には、12時前に到着し、
「ひょうごの食研究会」の、高山敏弘会長(神戸大学名誉教授(農業経営))、田中智子副会長(神戸市生活指導研究会会長)と、清水悦子副会長(兵庫県生活研究グループ連絡協議会副会長)、保田茂幹事長(兵庫農漁村社会研究所 代表 神戸大学名誉教授(農業経営))、小寺收幹事(JA兵庫中央会協同組織部部長)、山根成人幹事(ひょうごの在来種保存会代表)、武正興幹事と、小池潤氏(鰹ャ池農園こめハウス専務)。の皆さんが迎えてくれた。

また、知らなかったが同窓で、現役時代三大都市圏の仲間として一緒に活動した大杉和秀さん(元JA兵庫中央会)が、元ひょうごの食研究会幹事をされていたとかで、わざわざ訪ねてくれたので、旧交を温めることが出来た。

皆さんと一緒に昼食のお弁当をいただいので、気持ちも落ち着いて講演に入れた。

上の画像をタップする
さて、講演だが、テーマは「江戸東京野菜物語」で、主催者の希望として、@伝統野菜の生産振興、A伝統野菜による地域活性化、B食育の取り組みについて、休憩をはさんで2時間、依頼されていた。

昭和56年(1981)、都市に農地はいらないという国の政策に対して、「子供たちに残したい身近な自然」を作って、東京の歴史文化を次代に伝えていきたい思いの中から、江戸東京野菜の取り組みが始まった。
ある意味、都市農政運動の一手法として、伝統野菜で地産地消をライフワークにしていることを伝えた。

平成9年、農業協同組合法施行50周年記念として「江戸東京の農業説明板」50本の設置を企画、それによって地域で農産物の復活が始まった。

江戸時代、全国から集まった野菜の種は、江戸の気候風土の中で育成され、良質の練馬大根や、滝野川ゴボウ、三河島菜などは、江戸土産として全国に伝わった。

「伝統野菜は長老に聞け」の講座では、固定種の練馬大根について詳しい、渡戸章さんに種採りの方法を学んだが、「ひょうごの在来作物」にも、多くの長老の話が掲載されていることを評価した。


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2017年03月07日

福井市の株ェ百五商店 松尾専務にふくいの伝統野菜について教えていただいた。


すきや連の例会が、福井であると云うので参加した。
江戸東京野菜コンシェルジュ協会の上原恭子理事から、福井に行ったら「日本匠の畑」を主宰する松尾正則さんを訪ねるといいとアドバイスをくれた。

上原さんの話を聞くと、江戸東京野菜にも注目してくれていて、福井の伝統野菜を教えてもらえるとのこと。

ホテルで、お店の場所までの地図を描いてもらったが遠くない。






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1872年(明治5年)創業の老舗「八百五商店」、ホテルから電話をかけて出かけたので松尾専務は待っていてくれた

初めましてと名刺を差し出すと、「前にお会いしています。」との返事。失礼してしまった。

何でも、2014年3月に有楽町交通会館で開催された伝統野菜フェスタが行われたときに、江戸東京野菜の講演を聞いてくれたという。

帰宅後、その時のブログを見直したら、松尾専務と勝山水菜の写真を掲載していたし、上原さんもワークショップのリーダーをしていた。

上の画像をクリックする
今日は、すきや連の例会がある料亭「開花亭」に納品してしまったとのことだったが、奥から福井の伝統野菜「杉箸のアカカンバ」の段ボールを出してきて見せてくれた。



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2017年03月03日

堀川ゴボウは滝野川ゴボウだと云うが、どうしてあんなに太くなるのと聞かれた。


先日、友人の江戸東京野菜コンシェルジュと話していたら、この冬、京野菜を食べてきたという、土産話になった。

京都弁で接客をされながら、懐石料理を食べてきたようだが、お料理は、その地域の言葉やその場所の雰囲気も味わいとなるため、伝統野菜はその地域の風土の中で食べると、味も違う。

そんな話の中で、京野菜から発展して、江戸東京野菜の話になったが、堀川ゴボウの話になった。

堀川ゴボウは、滝野川ゴボウだと教えてくれたのは、京都の鷹峯で京野菜を栽培している樋口昌孝さんにだった。




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東京では、小平市の岸野昌さんが固定種の滝野川ゴボウを作っている。

堀川ゴボウの物語は、伺うところによると、秀吉が一時政務を執り行った平城の聚楽第が、秀吉亡き後、取り壊されると、その堀はゴミ捨て場となり、そこに偶然ゴボウが一本葉を茂らせていたのが発端だという。

当時の事だから、ゴミと云っても生ゴミのようなものが中心で、これが堆肥となったか、年を越したゴボウを掘り起こすと、中はスが入った太いゴボウだった。
しかしもったいないと、食べると香りが良いものだったという。


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2017年02月12日

河合興産の農業事業部農場「アグリグリーンくまもと」で新種開発に取り組む竹田順一先生が上京された。


先日、絵本塾出版の尾下千秋社長から電話をもらった。
尾下社長とは、江戸東京野菜の物語を絵本にしようと話を進めているが、その延長線上で日本の伝統野菜へと発展し、高知県の伝統野菜についてはかなり進んでいる。

公立法人高知工科大学地域連携機構、補完薬用資源学研究室の竹田順一主任研究員は気の置けない大学の同窓(49年農学卒)で、絵本の打ち合わせに東京に来るから、一緒に食事をしないかと云うことだった。

竹田先生のお父上は、植物学者の牧野富太郎博士の指導を受けた方で、牧野博士がやり残していた高知の伝統野菜(牧野野菜)を守り継いできた方。
お父上が亡くなられた後は、竹田先生が引き継いでいたから、その物語は興味深い。
因みに、竹田先生の論文は先日の追録で掲載してある。       




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絵本塾出版のある四谷駅で待ち合わせたが、熊本にある河合興産の河合大志社長(写真左)もご一緒だった。

昼食は尾下社長の案内でオテル・ドウ・ミクニ裏の「カフェ ミクニズ」で日替わりランチ。

上の画像をクリックする
食事が終わった頃に、竹田先生(写真右)の話を伺うと・・・
現在、竹田先生は河合興産農業事業部の農場「アグリグリーンくまもと」の顧問として勤めているのだという。

熊本県上益城郡甲佐町中山では温室・無農薬水耕栽培を行っていて、ほうれん草で日産42万株とか、

試食をさせてもらったトマトは、12,000種と云う膨大なコレクション、その内の各種ミニトマトが人気だとか。
また、阿蘇で土耕栽培しているイチゴは、一年中実り続ける品種を無農薬で育成しているという。

今回は、各種のトマトと、阿蘇の農場で栽培しているイチゴを東京の果物店などへ、売り込むことも仕事のようだ。


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2017年02月06日

日本農業新聞四国版に「高知の伝統野菜 身近に」が掲載された。


先日、友人の偲ぶ会が行われたことは紹介したが、友人を偲んでいるところに、JA高知県中央会で、日本農業新聞の記者として、県内をくまなく取材して歩いている、同級生の石川清彦さんから、電話がかかってきた。

石川さんも、何か感じるものがあったのかもしれない。
最近の様子を聞いたが、伝統野菜の記事を書いたからと、送ってくれた。




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植物学者の牧野富太郎博士ゆかりの伝統野菜の保存を手掛ける「TeamMAKINO」が設立された情報は、昨年いただいていたが、今年も春早々に土佐野菜マルシェを開いたという。

余談だか、江戸東京野菜コンシェルジュの上原恭子理事が会場を訪れていて、中央奥に写っている。

上の画像をクリックする
土佐の伝統野菜を次世代に伝えていきたいとする生産者の皆さん、それを支援するには食べていただくことが重要で、しかも県民が認識するところから始まるわけで、マルシェの開催は時宜を得たものだ。

高知農高も食材として注目してくれていることで弾みがつくはずだ。
石川さんの記事から、高知ではお世話になった「潮江菜」の熊沢秀治さんも代表としてご活躍のようで、心強い限りだ。


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2017年01月30日

甲府市塩山の、農業生産法人・山本ファームから、春を呼ぶ桜菜と桜わさび菜が送られてきた。


甲府市塩山にある、農業生産法人 山本ファーム有限会社から、今年も桜菜と桜山葵菜が送られてきた、別便では自然薯も送られてきた。

寒い冬が明けて、春を待つ甲斐の国の季節野菜だ。




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桜わさび菜は、桜菜の変種として生まれたと聞いていて、辛みがあるので同社ではわさび菜としたという。

上の画像をクリックする
左上は桜わさび菜だか、中央下は桜菜、
今回は、別便で「自然薯」が送られてきた。


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2017年01月21日

小江戸・栃木市モニターツアーに参加して「とちぎ江戸料理」を楽しんだ。


前日の天気予報では、14日の午後からは雪になるというので心配していたが、天気は良かった。
8時半に、工学院大学前に集合と云うことで、8時前には新宿に着いた。

JR新宿駅西口から都庁に向かう道路沿いには、各社のツアーバスが停まっていて、道路には参加者が集まって来ていた。




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工学院大学前にPICO TOURのバスが止まっているが、若いお嬢さん方が大勢たむろしていて、今回のツアーは若い参加者が多いナーと、思っていた。

上の画像をクリックする
しばらくして分かったが、工学院大学が大学入試センターの試験会場になっていたようで、受験生たちが校内に消えると、バスの前に残ったのは、歳相応の皆さんだった。



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2017年01月19日

出流ふれあいの森で開催された出流観光会主催「柚餅子作り体験会」に参加した。


料理研究家の冬木れい先生のお誘いで参加した、「小江戸・栃木市モニターツアー」。

関東八十八カ所特別霊場第十七番札所、真言宗智山派出流山満願寺の初詣を済ませ、次の目的地「出流ふれあいの森」にやってきた。

何でも、平成27年度から栃木市では、地元出身でふるさと大使の料理研究家・冬木れい先生監修で、同市らしさを生かした食をテーマに、「とちぎ江戸料理」として、市内参加店などを募り、勉強会の開催や料理の開発などを行ってきたという。




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中でも、7軒のお蕎麦屋さんと1軒のお土産店でつくる出流観光会では、出流柚餅子プロジェクトを結成し、江戸時代の珍味「柚餅子(ゆべし)」の製造に取り組んでいる。

そこで栃木市では「広報とちぎ12月号」で市民20名を募集し、我々「小江戸・栃木市モニターツアー」参加者35名を加えて、出流観光会主催「柚餅子作り体験会」を、「出流ふれあいの森」で、14日(土)15時10分〜17時10分で実施したもの。

挨拶する冬木れい先生

上の画像をクリックする
体験会の司会進行を行う、栃木市観光振興課観光イベント係の藤岡真明さん(写真上)


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2017年01月17日

栃木の名刺・出流山満願寺に初詣、「とちぎ江戸料理」を食べてきた。


昨年7月、深大寺恒例の「夏そばを味わう集い」で、江戸ソバリエ協会のほしひかる理事長に紹介いただいた、料理研究家の冬木れい先生から、その後お手紙をいただいていた。

冬木先生は、平成27年から郷里、栃木市観光課の依頼で、「とちぎ江戸料理」というモードづくり、味づくりをされているという。

そこで、「とちぎ江戸料理」を食す旅行企画を組んだとかで、お誘いをいただいたもの。

栃木の名刺・出流山満願寺の初詣と、昼食には、名物の「いづる寒晒し一升蕎麦」を組み込んだ「とちぎ江戸料理」を用意していると云う。

江戸には全国から野菜の種が持ち込まれ、又江戸でできた野菜の種は全国に伝わったことなどから、地方を知ることは大切で、冬木先生の企画で、江戸ソバリエのほしひかる理事長も参加されると云うので、またとない機会だ。




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蕎麦好きの納所二郎さん(江戸東京野菜コンシェルジュ協会理事長) を誘って出かけた。

栃木市から、バスで県道202号線を18キロ遡る。
大規模な石灰鉱山があることから、鍋山石灰企業群を抜けて、出流の山懐へ。

上の画像をクリックする
昼食の「いづるや」は、先代の大塚時高が、巡礼の寺「出流山満願寺」へ向かう寂しい山里に、昭和38年に店を開いたと云う老舗で、現在では宿泊もできるとか。


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2016年12月10日

「鹿児島県に現存する伝統野菜」を、伝統野菜の研究家・田畑耕作先生が刊行された。


元鹿児島県農業試験場の場長で伝統野菜の研究家・田畑耕作先生が、2016年4月に「鹿児島県に現存する伝統野菜」を刊行された。

田畑先生は、伝統野菜の啓もう活動を活発にされていて、秋葉原で開催されたNPO野菜と文化のフォーラムが主催した「野菜の学校」(2011年11月1日 )で、お話をされたのを記憶している。

お話の中で、山川大根は「練馬から来たもので、江戸時代の交流の中でいろいろな大根が根付きました。」と話され、後日、先生にお願いして、山川大根の写真をいただいている。

また、「吉野にんじんは、元は滝野川にんじんから来たと思われる」と、江戸土産として種が全国に持ち帰られた、裏付けを得たことから、九州伝統野菜フォーラムでは、田畑先生も見えていたので、これらについて付け加えた。





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上の写真をクリックすると、「はじめに」。

昭和57年から鹿児島県農業試験場大隅支場に在籍していた時に、国と県の事業として伝統野菜を収集したことに始まるという。

春夏野菜が10品目、秋冬野菜が13品種の23品種が鹿児島県の伝統野菜に認定されているとしているが、

目次を見ると、認定前の伝統野菜を含め、根菜類11品種、果菜類8品種、果実的果菜類4品種、ナス類5品種、塊根類21品種、菜類3品種、ネギ類5品種、豆類8品種の、63品種が掲載されている。

同誌の参考文献には「江戸東京野菜」(物語編・農文協)の名が掲載されていた。
ありがとうございます。
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2016年12月08日

日本の伝統食を考える会の「伝統食列車25号」最終日にも江戸東京野菜の機会を作っていただいた。 


伝統食列車25号は、3日から始まった。
資料等を見せていただいたが充実した内容で、全国から参加された皆さんも、改めて東京における多用な食文化の歴史を学ばれたことだろう。

最終日は、会場を、隅田川に架かる勝鬨橋のたもとにある、築地市場厚生会館に移して行われ、
 9時半から依頼された講演は
「江戸の食の ”柱” は江戸生まれの野菜」

10時半から
「江戸前が育んだ魚と食文化」
漁労史研究家・藤井克彦先生


事務局からは、お昼予約している食事処へ移動すると云うので、1時間以内を心掛けた。
    




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前日の郷土食交流会の様子の写真は、深夜に松嶋あおいさんからメールでいただいた。
これらの写真は、パワーポイントに組み込んで、皆さんに紹介した。

話の導入では、2011年4月25日 「日本の伝統食を考える会」の30周年記念東京ミーティングが、新宿で開催されたときに招かれた。

また、おさらいとして、昨日浅草の「駒形どぜう」に行かれたグループに手をあげていただき、ドジョウの食べ方について紹介したり、
一品料理として「笹搔き牛蒡」についても紹介した。

また、深川江戸資料館に行かれたグループにも、手おあげていただき、江戸では舂米屋(つきごめや)が米を精白していたが、舂米屋の店内をご覧になったかも聞いてみた。

五代将軍の綱吉がまだ右馬頭(うまのかみ)時代に、脚気になった経緯について説明するのに、深川江戸資料館の「舂米屋」を映像で紹介した。

上の画像をクリックする
テーマの横断幕を作っていただいたが、会場には張ることができずに手持ちで紹介、プロフィールについては本部役員の浅岡元子さんが紹介してくれた。

江戸東京野菜には物語があるので、今回食べていただいた亀戸大根、伝統小松菜、青茎三河島菜、品川カブ、そして、練馬大根に絞ってお話を展開した。

物語から発見の経緯、どのように食べているかなどについて、肩の張らない話で紹介したが、皆さんからは面白かったと、喜んでいただいた。


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2016年12月06日

第25号伝統食列車2日目は17時から、郷土食交流会「東京の味、東京の食材を使って」が行われた。

「師走の東京へーTPP反対!
食の安全・安心を次世代へ。
江戸の暮らしの文化を見なおそう」
をテーマに


第25号伝統食列車現地実行委員会・日本の伝統食を考える会主催、国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会協賛の、第25号伝統食列車は12月3日(土) から5日(月) まで開催された。

この伝統食列車、3日間の内容が濃いことから、江戸東京野菜コンシェルジュ協会としてお手伝いをしたことを、何回かに分けて報告している。

初日は、森田哲也さんに依頼して、漬物を作ってもらったが、それは当ブログで紹介した。

2日目の午前中は、皆さん希望のコースを選んで
@「練馬大根引っこ抜き競技大会」見学(練馬区)11名
A「海苔つけ体験」(大田区大森)10名
B 農民連食品分析センター見学(板橋区)20名
   
C 深川江戸資料館・「深川めし」15名   
D 水上バス(浜離宮〜浅草)・「駒形ドジョウ」15名、


に参加されて、東京の文化を体験されたが、練馬大根引っこ抜き競技大会に参加された方々も、午後の会場に駆け付けた。

午後は会場を、自由が丘にある、緑が丘文化会館本館に移した。
朗読や、シンポジウムがあった後、17時から、郷土食交流会「東京の味、東京の食材を使って」が行われた。

主催者である東京連絡会の皆さんが対応されているが、江戸東京野菜コンシェルジュ協会では、上原恭子理事と、松嶋あおい理事が対応してくれた。




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ご依頼があったときに、何を紹介したらよいか少し考えたが、品川カブが収穫を迎えているし、物語も伝わっていることから、品川汁に決めた。

上原理事は、毎年品川神社で行われる「品川蕪品評会」で、来場者に配られている「品川汁」の復活に尽力している。

上の画像をクリックする
品川汁の謂われについては、昨年のブログで紹介しているが

会場では上原理事が説明を行った。
松嶋理事には、上原理事のサポートと、写真を撮るなど資料集めなども行ってもらった。



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